技術サポートFAQ

2D-σ

Q1

2D-σの入力単位について教えてください。

長さや応力などの単位は、2D-σが自動的に決めるわけではありません。
データ作成時の入力単位は単位系を全て統一すればどのような単位系でもかまいません。解析結果も作成時の入力単位系が引き継がれ、同じ単位系で出力されます。
「データ作成時の入力単位」=「解析結果で出力される単位」

例えば,m(メートル)単位で作図を行った場合,長さの単位はmとなりますので,全ての長さに関する入力値をm(メートル)とします。 重さに関する単位も統一する必要がありますので,例えば,kNとするならば,全ての重さに関する単位系をkN とします。

Q2

ポアソン比を0.5にしたいのですがどうすればいいですか?

ポアソン比は0.5に設定することができませんので、0.5に限りなく近い0.499等にしてください。
または、1ステップ目が対象でしたら、「設定(O)」メニューの「側圧係数」を1にして下さい。

ポアソン比を数式で表すと、以下の通りになるので、ポアソン比=0.5にしたい場合はKを1.0にします。 側圧係数が入力されている場合は、ポアソン比は無視され、側圧係数の方が優先されます。 (側圧係数は1ステップのみ作用します。その他のステップはポアソン比によって計算されます)

 K = ν / (1-ν) [ K:側圧係数、ν :ポアソン比]

対象製品: 2D-σ、 3D-σ

Q3

メッシュの切り方は計算精度にどのように影響しますか?

アイソパラメトリック要素を使用していますので、多少メッシュの大きさにばらつきがありましても、実用上問題無く解析出来ます。 但し、FEMはメッシュを無限に細かく切った場合に理論解に近づくことと、メッシュは有限であることを考慮して、以下に気をつけて下さい。
応力集中部や評価点は細かく、できるだけ正方形のメッシュにします(三角形要素は避ける)。

Q4

体積弾性係数を一定と仮定して、ポアソン比を求めることはできますか?

そのような機能はありませんので、弾性係数とポアソン比で入力して下さい。

体積弾性係数
弾性体に等方圧力を加えた場合の体積ひずみは応力に比例します。 この比例定数を体積弾性係数といい、等方弾性体の場合、体積弾性係数Kは以下の式で表されます。

K = E / 3(1-2ν) [ K :体積弾性係数、E :ヤング率、ν :ポアソン比]

参考文献:
土質工学会[現:地盤工学会]
「土質工学標準用語集 H2/03/30 第一版」P.78

対象製品:全製品

Q5

室内試験(三軸)で得られた破壊ひずみと比較をしたいのですが、何処を見ればいいのですか?

破壊接近度で1以上となっている部分のひずみと比較して下さい。

対象製品: 2D-σ 、 3D-σ

Q6

ポストプロセッサの破壊接近度とは何ですか?

安全率の逆数になります。

日本道路公団のトンネル数値解析マニュアル(都市部トンネル解析留意事項編)P.2参-の”破壊接近度”とは定義が異なりますので注意が必要です。
トンネル数値解析の破壊接近度は2D-σの緩み係数と同一のものです。

対象製品: 2D-σ 、 3D-σ

Q7

室内試験で測定される破壊ひずみは直ひずみですが、2D-σでは何の値を見ればいいですか?

直ひずみはε 1とε 2、圧縮方向に最大の直ひずみはε 2 になります 。

対象製品: 2D-σ 、 3D-σ

Q8

軸対称モデルでボルトや梁を設定できますか?

軸対称モデル(軸を基準に360°回転させたモデル)でボルトや梁を設定すると一連のつながったボルト、梁になってしまいます。
したがって2D-σでは、軸対称モデルでボルト、梁の設定はできません。 この場合は3次元の解析を推奨します。

Q9

側圧係数はどのようなときに設定すればいいのですか?

2つのケースが想定されます。
ポアソン比が0.5以上の時にポアソン比では入力できないので、側圧係数で代用する場合と、 もう1つは、斜面等を解析する場合にポアソン比よりも側圧で入力した方が妥当であると思われる場合に側圧を使用します。
側圧係数に数値を入力すると、1ステップ目は側圧係数を用いて計算を行い、次のステップからは物性値のポアソン比が用いられ、 側圧係数を入力しない場合は、1ステップ目からポアソン比が用いられます。

対象製品: 2D-σ、 3D-σ

Q10

弾塑性解析で破壊領域が発生した箇所はどのように処理されていますか?

引き続き破壊のまま解析を行っていきます。イメージとしては、破壊した領域は柔らかい弾塑性体として解析を行っています。 一度破壊した部分に荷重がかかっていくと、破壊領域は広がる結果となります。

対象製品: 2D-σ、 3D-σ

Q11

掘削した際のリバウンドは何故発生するのですか?

「掘削」は解析域が単に無くなるというだけではなく、掘削した面に作用していた応力とは逆方向の応力「掘削解放力」というものが作用します。 この作用により掘削底面には上向きの力が働き、解析結果として浮き上がることがあります。
この現象は、FEM解析を行なう以上避けられません。

対象製品: 2D-σ、 3D-σ

Q12

材料値の「厚み」とは何ですか?

「厚み」は奥行き方向の長さになり、梁やボルトの打設ピッチを表しています。
例えば、3m毎にボルトが入るのならば、「厚み」には3と入力します。この時すべての材料値に対して3と入力する必要があります。
0と入力された場合は、自動的に1と認識します。

Q13

弱面圧縮応力とは何ですか?

「軸線上の成分」-「表示設定」の中の項目の一つで、これは接触面に生じる圧縮応力を意味しています。 同様に「弱面せん断応力」は接触面に生じるせん断応力を意味しています。

Q14

接触面開口状態の見方について教えてください。

ポストプロセッサの値出力の画面から「設定(O)」-「表示設定」から「変位後の座標に節点を表示」、「変位後メッシュの表示」にチェックをつけます。 この設定により変形後の節点・メッシュを表示できますので、それぞれの節点の位置からどのような状態かを判断できます。

Q15

緩み係数におけるdmin(破壊包絡線までの最短距離)はどのように算出しているのですか。

dminを算出する際、引張り強度を考慮せず、破壊包絡線までの距離をdminとしています。 2D-σでは、引張り強度T=0とした場合、引張り強度が分からなかったものと判断し、Tを自動的に包絡線とσ(x)軸との交点の値として計算しています。
このため、Tが大きな値となり、dminの計算式における分母の値が大きくなり、結果として緩み係数の値が小さくなる場合があります。

対象製品: 2D-σ、 3D-σ

Q16

破壊接近度、安全率はどのような算出方法ですか?

モール円と破壊崩落線との距離から算出しています。 引張り強度Tの値を考慮しているので、破壊崩落線かσ=Tのモール円の中心からの距離が短い方を破壊接近度の算出に用います。
引張りでは破壊しないという前提で解析を行う場合はTに大きな値(例えば1,000)を入力して評価してください。

対象製品: 2D-σ、 3D-σ

Q17

弾性解析で、C、φを変更しても解析結果がかわりません。何故ですか?

弾性解析では変形、応力算出の計算に用いられるパラメータはヤング率、ポアソン比、厚み、単位体積重量になります。 c、φは安全率等を評価する際の破壊包絡線を定義するためのもので、応力等には影響を与えません。
安全率等で評価する際にポストプロセッサの「設定(O)」-「安全判定方式の設定」でc、φ、Tの値を変更することによって、 再計算することなく、評価の基準を変更することができます。 ポストの設定値は記憶されませんので、ステップ移動した場合は再度、c、φ等の値を設定する必要があります。Kは緩み係数(電中研法)の際に用います。

対象製品: 2D-σ、 3D-σ

Q18

地表面は破壊しないと思うのですが、T=0のとき、地表面に安全率が1を切りますが何故ですか?

引張り破壊しているものと思われます。 T=0とした場合は、引張りが出ると安全率が1切ることになります。 地表面に引張りが出る原因としては、側方をX拘束した斜面の解析等の場合に生じます。斜面を滑ろうとする力と、拘束による力で引張りが発生します。 その回避方法として、Tに大きな値を入力し、引張りでは破壊しないという前提のもとで評価する方法があります。
安全率等で評価する際にポストプロセッサの「設定(O)」-「安全判定方式の設定」でc、φ、Tの値を変更することによって、 再計算することなく、評価の基準を変更することができます。 ポストの設定値は記憶されませんので、ステップ移動した場合は再度、c、φ等の値を入力します。kは緩み係数(電中研法)の際に用います。

Q19

掘削解放率の一個所が100%にならなくても次を掘削などしたい場合はどうすればいいですか?

2D-σにおける掘削は、掘削面に掘削外力を作用させることで表現します。通常は応力解放率100%で計算しますが、 切羽の進行に伴い応力の解放率をいきなり100%にせず、30%等としていきます。30%の場合は、本来作用させるべき掘削外力の30%を作用させることになります。
注意すべきことは、いつの時点からの解放率であるかということです。 基準は掘削が始まった時点の応力状態としています。もし途中で別の部分の掘削を開始した場合、応力分布が変化してしまいますから、 どの基準に対しての掘削解放率にするかが定まらなくなってしまいます。
そのため、応力解放率が100%になるまで次の掘削を始められないようになっています。

Q20

他のFEMソフトと、2D-σの答えが違うのですがなぜですか?

2D-σの解析理論は、教科書にあるごく標準の式を用いています。 その為、同じ材料モデル(線形弾性)で、同じ要素モデル(アイソパラメトリック8節点)、同じ積分次数(2次)であれば同じ結果となりますので、 再度比較対象の条件等を確認して下さい。

Q21

梁要素のせん断有効面積とは何ですか?

特殊なケースを除いて、断面積と同じ数値を入力してください。概念については文献等を参照してください。

参考文献:培風館「有限要素法ハンドブックⅠ 基礎編」P.212~213

Q22

軸対称モデルでボルトや梁を入れるとき、奥行きはどのようすればいいのですか?

軸対称モデルでは打設ピッチを考慮できないので、ボルトや梁を指定すると連続してボルト・梁が存在することになります。
3次元解析を推奨いたします。

Q23

軸対称モデルの計算結果が変なのですが、何故ですか?

対応:軸対称モデルの場合、回転軸はX=0(Y軸)になります。また、Xの正の領域にモデル化してください。

Q24

収束計算は何でやっているのか教えて下さい。

Newton-Raphson法を使用しております。
 →2004.03(Ver.2.5.0)以降より修正Newton-Raphson法を使用しております。

Q25

線形と非線形との違いについて教えて下さい。

線形は応力とひずみの関係が直線的に変わる物のことをいいます。非線形は応力とひずみの関係が、直線から途中で曲線に変わるもののことを指します。

Q26

印刷画面で文字入力しようとすると日本語が文字化けしますが、何故ですか?

印刷画面で文字入力領域を右クリックし、メニューから「フォント指定」を選択します。 ここで、フォント名が日本語に対応するフォントが選択されているか、文字セットが日本語になっているかどうかを確認してください。

対象製品:2D-σ、Easyσ、2D-Block、G-BLOCK/2D-DDA、2D-Flow、2D-FLUSH、2D-Frame、3D-σ、3D-Flow、G-HEAT/2D

Q27

線形と非線形解析は具体的にどのような違いがありますか?

非線形は変位が大きく出ますが、両者の挙動は概ね似たような結果になります。 非線形は多くのパラメータが必要となり、パラメータ次第では大きな変形が出ますので注意してください。

対象製品:2D-σ

Q28

1ステップ目でγを1.5にし、2ステップ目でγを5にしても、γが変わったことによる影響が見られません。

γ は1ステップ目の自重解析を行うために必要であり、2ステップ目からは γ は解析に用いていません。 但し、「盛土」を行うステップでは「盛土」の γ は考慮されています。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q29

強制変位のかけ方について教えてください。

拘束の画面でセグメントを選択し、右クリックメニューから入力します。Ux、Uyに数値を入れることで、変位を設定して下さい。 一括選択状態では入力できませんので、各々のセグメントに設定して下さい。
また、強制変位は1つ前のステップとの相対的な変位になります。

例えば3ステップ目で+5cm の強制変位を与えたとすると、
 (3ステップ目の変位)=(2ステップ目の変位)+((強制変位量)+5 )
となります。

Q30

「熱応力」機能とはどういうものですか?(オプション機能)

異なる温度の材料間では膨張率の違いによる応力(熱応力)が発生しますが、これを考慮したい場合に用います(熱伝導は考慮できません)。

(使用例)
 ・地熱が発生しているような地盤の掘削等
 (地表近くの地盤と、地下の地盤との温度差による影響が無視できない)
 ・原子力関連
 ・ダムのコンクリート打設 など

 温度差:温度の変化量(ΔT)
 膨張α(アルファ):線形膨張係数(α)

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q31

「慣性力」機能とはどういうものですか?(オプション機能)

地震を考慮したい場合、簡易的な方法として、応答解析ではなく慣性力を静的荷重として設定し解析を行います。
慣性力は、地震計で計測した最大加速度や設計震度などから算出して入力します。
また、慣性力θは、慣性力の方向を入力します。

慣性力(P=γ(ガンマ)・α(アルファ)/g)
 g:重力加速度
 γ:単位体積重量
 α:加速度
 α/g:設計震度

慣性力θ(慣性力の方向)の入力
 慣性力の方向は角度で指定し、角度はX軸正方向を0(ゼロ)度として反時計回りにとる。
 左から右に作用:0(度)
 右から左に作用:180(度)

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q32

弾性解析や弾塑性解析や非線形解析はどのような考えで使い分ければいいでしょうか?

岩盤の応力解析にFEM解析を用いる場合、どのような力学モデルを用いるかということは非常に悩ましい問題です。
金属のような均一な物性の場合は力学モデルの選定も簡単ですが、岩盤のような複雑な挙動を示す解析の場合は 完全に挙動を再現した力学モデルは存在しないと言っても過言ではないと思います。
では、どのような考えで線形弾性、非線形弾性、弾塑性解析を用いればいいのでしょうか。

全ての基本となるモデルは線形弾性解析です。
線形弾性解析は弾塑性解析、非線形解析を行なう場合でも、一番初めに計算を行い、挙動を把握しましょう。 その後、必要に応じて弾塑性、非線形解析を行ないます。
弾塑性解析は、斜面安定のような地盤の極限状態や破壊後の挙動を再現する際に必要になります。 但し、構造物の設計の場合は、非弾性的な岩盤の変形をできるだけ抑えるように設計しますので、 岩盤の破壊後の挙動を考慮しない線形弾性モデルで十分と考えます。 また、必要に応じて非線形弾性モデルを用いることにより、 線形弾性モデルよりも安全側(線形弾性よりも非線形弾性が変位は大きくなります)の検討が行なえます。

一方、解析に必要なパラメータはどうでしょうか。
非線形解析や弾塑性解析は、弾性解析で必要なパラメータ以外にも、破壊後の挙動を支配するパラメータも正確に入力する必要がありますので、 3軸圧縮試験等を行い、多くのパラメータが必要となります。
より高度な解析モデルを用いることは必要ですが、信頼できるパラメータがあってこそ、正しい解が得られることは言うまでもありません。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q33

ひずみはどのような時に使えばいいのですか?

最大せん断ひずみで評価する際に用います。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q34

弾性解析で、施工ステップが異なると、解析結果が異なるケースがありますが、何故ですか?

ステップの途中で梁やボルトが入るとそのときの応力状態がそれぞれ変わりますので、結果が異なってきます。 素掘りであれば、上半・下半と分けても、一度に掘削しても最終的な結果は同じになります。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q35

接触面を指定し、メッシュを作成したら2D-σがフリーズしてしまいました。

地中内に接触面を指定しているとメッシュを作成することができません。接触面のどちらか一端が地表面(解析領域の外)と接していなければなりません。

Q36

絶対相対オプションを購入していない場合、どちらのモードを使っているのですか?

絶対モードを使用しています。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q37

ステップ解析の場合、自重解析(1ステップ)の変位はどうなるのですか?

2ステップ目で「盛土」か「掘削」を行った場合は、2ステップ目の変位は2ステップ目の施工による変位のみが出力されます。 3ステップ以降のステップでは、2ステップ目以降の変位の累積値です。
2ステップ目で「盛土」か「掘削」を行わなかった場合は、2ステップ目の変位は自重解析の変位に2ステップ目の変位が足されたものになります。 3ステップ目移行の変位も1ステップ目からの累積値になります。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q38

地中に強制変位はどうすれば入れることができますか?

拘束指定モードで「ctrl」キーと「Shift」キーを押しながら線分を選択し(地中の線分は見えませんが、選択することができます)、指定してください。 「ctrl」キーと「Shift」キーは数値を入力し、「OK」ボタンを押す時まで押し続けて下さい。

対象製品:2D-σ

Q39

自重による沈下を生じさせなくするにはどうすればよいでしょうか?

1ステップ目では初期応力を求めるために、自重解析を行いますので、地盤の単位体積重量を正確に入力することが必要です。
何らかの理由で自重による沈下を生じさせたいためには、1ステップ目の単位体積重量を0にすればいいのですが、初期応力状態は正しく求められませんので、注意が必要です (単位体積重量を0にしたい場合は、必ず外力がかかっている必要があります。外力が全くかかってない場合は、単位体積重量を0.0001等にします)。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q40

接触面自体に剛性をもたせているのでしょうか?

接触面自身には剛性がありません。2つの物体の力を伝えるために仮のバネを入れることにしています。 値の取り方は、Goodmanが提案した接触する要素の片方のヤング率とポアソン比を使って求める方法を採用しております。

参考文献:培風館「有限要素法ハンドブックⅠ 基礎編」P.421~425
 ⇒CDver2004.03以降のバージョンでは任意に剛性を設定することができます。

Q41

解析開始すると「力学的変化が生じない」とエラーがでてきますが何故ですか?

「盛土」、「掘削」、「荷重」等、外力がかからず、力学的な変化が全く生じないステップがあるときに、 「力学的変化が生じない」とエラーメッセージが出て解析を行うことができません。 対策として、「盛土」、「掘削」、「荷重」等の外力をかける必要があります。
梁、ボルトの打設のみでは力学的な変化は生じません。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q42

バネ要素は「2D-σ」で設定できないのでしょうか?

バネ要素モデルはありませんので、設定することができません。但し、【梁指定をする】ことにより、バネ要素と同じような効果を再現することができます。

1)バネ設定範囲に複数本の梁要素を設定します
(解の精度を考えた場合、梁要素は等間隔かつ多いほうが望ましい)。
※予めバネ設定(=梁指定)するためのセグメントを作図しておきます。

2)梁要素の端部はX、Y変位を拘束します。

3)ばね定数と梁定数を下記式にて一致させます。
K×L=(E×A / l )×n

バネ定数:K
バネ作用範囲:L

E:梁要素のE
A:梁要素の断面積
l :モデル化した梁要素の長さ
n :モデル化した梁要素の本数

対象製品:2D-σ

Q43

NATM工法で吹き付けコンクリートとH鋼はどのように設定すればいいのでしょうか?

多くの場合、H鋼と吹付けコンクリートの物性を用いて合成梁(梁要素)として計算を実施します。合成方法の一例を示すと以下のようになります。

<剛性E>
応力とひずみの関係は、σ = P/A= ε E です。コンクリートへの載荷荷重はPc = εc ・Ec・Ac、H鋼の載荷荷重は、Ps = εs ・Es・As となります。 このとき、コンクリートとH鋼のひずみは合成梁のひずみと等しいと考えられ(ε = εc = εs)、合成梁への載荷荷重は、P = Pc + Ps となります。 これらより、合成梁の剛性Eは、以下の式(4.1)より求められます。

数式1(4.1)

<断面二次モーメント>
同様に、曲げモーメントと曲率ρ(曲げモーメント発生時の曲率半径のこと)の関係は、M = EI / ρです。 コンクリートの曲げモーメントはMc = Ec ・Ic / ρc、H鋼の曲げモーメントはMs = Es ・Is / ρs です。 この時、コンクリートのH鋼の曲率は合成梁の曲率と等しくなくてはなりません(1/P = 1/ Pc = 1/ Ps)。 合成梁の曲げモーメントは、M = Mc + Ms であり、合成梁の断面二次モーメント I は、下式により求められます。

数式2(4.2)

但し、設計及び施工に際して曲げ耐力を期待しない部材であり、曲げに対する耐力を無視することができるため、Ic=0とし、

数式3

(ここに、Eは、合成梁のEである。)以上より、数式(4.1)、(4.2)を用いて合成梁を計算することができます。

対象製品:2D-σ

Q44

解析領域の大きさはどういう考え方で設定すればいいのでしょうか?

一般的にトンネル掘削解析の場合は、トンネル掘削径をDとした場合、側方は4D~5D程度、下方も3D~5D程度取れば十分だと考えられます。 また、トンネル掘削解析以外の場合は、施工による応力の変化が解析領域の拘束に影響を受けないよう解析領域を広めに取れば、問題はありません。 但し、下方領域の取り方によっては、掘削した際のリバウンド量が異なってきますので、注意が必要になります。

参考文献:
土木学会:都市NATMとシールド工法との境界領域、P.63、1996
日本道路公団試験研究所道路研究部トンネル研究室:トンネル数値解析マニュアル、P.11、2002

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q45

材料物性値の「比重」とは比重を入力するのでしょうか?

比重ではなく、単位体積重量を入力します。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q46

「非線形梁」は設定できないのでしょうか?

「線形梁」のみ設定することができます(弾塑性解析、非線形解析を行なう場合も、梁要素は線形弾性モデルとして計算されます)。
梁要素(支保工)の破壊後の挙動を確認することは殆ど無いこと、また、弾性域に収まるように支保工の設計が行われますので、 弾塑性解析、非線形解析の場合でも、梁要素は常に線形弾性梁となります。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q47

モールクーロン弾塑性解析において完全弾塑性モデルの解析はできますか?

モールクーロン(Mohr-Coulomb)弾塑性解析において、C = Cr、φ = φr、硬化 Hk = 0 と設定することにより、完全弾塑性モデルとすることができます。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q48

5stepまで作成しましたが、3step目の物性が間違っていました。修正したいのですが、どうすればいいでしょうか?

入力した材料物性値(地盤材料や梁要素の物性)を修正したいステップ(質問より、ここでは3ステップ目)に移動し、入力材料物性値を修正します (物性値を修正した場合には、データの変更を反映するか否かを問いかけてきますので、変更を反映させる場合には「はい」を選択して下さい)。
また、入力材料物性値をステップ毎に設定しており、特定ステップの材料物性値を他のステップにも反映したい場合には、 「設定(O)」-「材料値の他step反映」より、一括して変更することが可能です。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q49

2ステップ以降で要素分割数を変更したいのですが、どうすればいいでしょうか?

ステップ解析を行う場合には、節点番号や要素番号が前後のステップと関連している必要があります。 途中のステップで分割数変更を行うと、節点番号及び要素番号が再設定され、前後のステップで関連性が無くなるため、2ステップ以降での分割数の変更はできません。
2ステップ以降の分割数を変更したい場合には、1ステップ目に移動し、2ステップ目以降のデータを削除し、 1ステップ目の分割数を調整後、再度2ステップ目のデータを作成します(1ステップ目に移動し、データの上書き保存をします。 その際に「このステップ以降のデータを保持しますか?」という問いかけをしてきますので、1ステップ以降のデータを削除する場合には「いいえ」を選択します)。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q50

解析を行う際、手戻りがないよう作図の段階で注意しなければならない点を教えてください。

作図を行う段階(1ステップ)で、全ステップで必要な線を全て入力する必要があります。 例えばトンネルを上半、下半に分けて掘削する場合は、境界の掘削ラインの作図が必要になります。 解析結果の変位を照査したい場所があるのであれば、作図の段階で予めその箇所に点を打っておく必要があります。
1ステップ目のデータができたら、その段階で解析をまわし、応力が綺麗に分布しているか確認します。 構造物や地層境界が無いのに応力が乱れていれば、メッシュが正常に作成されていない、拘束が外れている等の原因が考えられますので、 必要に応じてメッシュの修正や条件設定の確認を行います。

対象製品:2D-σ、 3D-σ

Q51

NATMトンネルのステップ解析において、1)「吹きつけコンクリートを面要素、H鋼を梁要素でモデル化したケース」と、 2)「吹きつけコンクリートとH鋼を合成梁として梁要素で設定したケース」では、天端沈下が異なりますが、何故でしょうか。

1) 吹付けを面要素として設定した場合
吹付けを施工するステップで要素(領域)が追加されることになります。 新たに追加される吹付けは、それまでの変形が0(要素がありませんので)ですので、吹付けを追加したステップではじめ て変形が生じてきます。 これは、有限要素法(FEM)での解析上、致し方ないことです。

2) 吹付けとH鋼を合成梁として設定した場合
既に変形している箇所に梁要素が追加されますので、上記の問題は生じません。
天端沈下に関しては、両者の結果は異なりますが、地表面沈下等については、両者は殆ど変わりません。

対象製品:2D-σ

Q52

シールドトンネルの解析を行う場合、材料値の「厚み」は1でいいのでしょうか。

シールドのように、奥行き方向に連続性がある場合には、地盤物性の入力と同様に厚みを1または0と設定します。 梁定数は単位厚さの物性を入力します(0と入力した場合も1として解析実行されます)。

尚、NATM工法等で支保工の設置をする場合には、ピッチに応じた厚み、梁定数を考慮する必要があります。

対象製品:2D-σ

Q53

入力条件値などを一覧で出力したいのですが、何か方法はないでしょうか。

他アプリケーションで作成した報告書にそのまま記載できる形ではありませんが、次の方法での入力条件の出力が可能です。

1)プリプロセッサの「ファイル(F)」-「他ソルバー用に出力」で要素、節点データをテキストファイルに出力することができます (別途購入が必要になるオプション機能になります)。

2)ポストプロセッサの値表示画面にて、モデルを全選択します。値一覧が表示された画面上で右クリックして「複写」を選択します。 そのデータをエクセル等に貼り付けることで、全節点の座標と変位を出力することが可能です。

値表示画面からは変位のほかに応力、モール円、接触面、梁、ボルトの値出力が可能です。

対象製品:2D-σ

Q54

ステップ毎に材料物性を変更することは可能ですか?

面要素(通常要素)のみステップ毎に材料物性を変更することができます。つまり、入力物性が間違っていた場合、それぞれのステップにて物性を変更しなければなりません。
なお、あるステップの物性がいくつかのステップと同じ場合には、「設定(O)」-「材料値の他stepへの反映(S)…」より、 1つのステップの変更を行った後、他ステップへの物性反映を行うことが可能です。
また、「設定(O)」-「物理モデルの設定」より、物理モデル(弾性解析、弾塑性解析)もステップ毎に変更することができますので、 自重解析では弾性解析、2ステップ目以降では弾塑性解析を行うことも可能になります。

値表示画面からは変位のほかに応力、モール円、接触面、梁、ボルトの値出力が可能です。

対象製品:2D-σ

Q55

作図をする際、図面の基準はどこに置けばいいですか?

どこを基準にしても構いませんが、原点付近に図面を描くことをお勧めいたします(例:トンネルのセンターラインを X=0 とし、標高をy座標に合わせる等)。
また、図面を描く際の単位は材料物性等と単位系を合わせる必要がありますので、m単位系で描くことをお勧めいたします。

対象製品: 2D-σ、 3D-σ

Q56

解析済旧バージョンファイルを最新バージョンに変換する手順と注意事項はありますか?(Ver.5.0.0.0以降)

Ver.5.0.0.0より、解析済の旧バージョンのファイルを最新バージョンで開いた際、「未解析状態」となるよう仕様を変更しました。解析結果の形式が異なるためです。最新バージョンで解析結果を確認する場合は、ファイルの変換したファイルの1Step目と最終Stepでのメッシュ生成の後に、あらためて解析を実行してください。なお、途中Stepでの生成の必要はありません。
※新バージョンのファイルを以前のバージョンのファイルに戻すことはできません。
※詳細はこちらをご確認ください

対象製品: 2D-σ

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