やわらかサイエンス

隕石 ~ 宇宙からの贈り物 ~(中編)

第114回担当:藤原 靖(2020.07)

隕石には、石のような石質隕石と金属の塊のような鉄隕石、これらの中間の石鉄隕石の3つがあります。では日本に落下してきた隕石はどのような隕石でしょうか。中編では隕石を求めて追いかける隕石ハンターについても紹介します。


日本の隕石

国立科学博物館では日本に飛来した隕石を「日本の隕石リスト」としてまとめています。リストには名前、落下(発見)場所、年月日、種類、総重量、個数がまとめられています。2019年2月27日現在、石質隕石である粒状隕石(コンドライト)24点、鉄隕石9点、石鉄隕石1点となっています。そのうちの代表的なものを紹介します。



■日本最古の隕石
直方隕石:福岡県直方市、861年5月19日(貞観3年)落下、コンドライト(粒状隕石)、472g、1個。
貞観3年は平安時代の初期で、大津波を起こした貞観地震は11年です。

■直近の隕石
小牧隕石:愛知県小牧市、2018年9月26日落下、コンドライト(粒状隕石)、650g、1個。
民家の屋根を突き破って落下しました。



 
      

左:修理で切り取られた屋根の一部   右:小牧隕石の最大片550g
※記事・画像ともに「国立科学博物館・国立極地研究所・九州大学プレスリリース」(平成31年2月27日)より抜粋


2020年7月2日に落下した隕石は、習志野隕石と命名され最新の隕石となりました。
後日、続編としてご紹介します。

■一番重い隕石
田上隕石:滋賀県大津市、1885年発見、鉄隕石、174kg、1個。
この隕石の場合は「発見」となっています。200kg近い大きな隕石が落下した時は、もの凄い衝撃だったことだと思います。

■一番軽い隕石
福江隕石:長崎県五島市、1849年1月落下、鉄隕石、8g、1個。
オクタヘドライトという鉄隕石ですが、非常に小さいのによく発見できたものです。


隕石ハンター

隕石探しは、科学研究として価値を持つだけでなく、投資またはコレクションの対象としても行われています。このような隕石探しを職業としている人たちは隕石ハンターと呼ばれています。
中でもアメリカ合衆国のマイケル・ファーマー氏が有名です。隕石が落ちた、隕石を持っている人がいると聞くと世界各地に出かけて行きます。同氏は自分で見つけた隕石や所有者から購入した隕石をコレクター、研究機関、研究者に販売しています。


隕石ハンターにも女性がいます。中国の楊可欣さんという女性隕石ハンターで、2012年からの約5年間で、ゴビ砂漠などで隕石600個、合計400kgを収集したそうです。隕石を探す場所は中国の砂漠地帯で、1000kmくらいの車移動と50kmくらいの徒歩探査は珍しくないそうです。広い場所を目で探すわけですから忍耐と体力が必要です。砂漠での強敵は窒息することもある砂嵐だそうです。

最近では、貴州省貴陽市内に隕石文化科学普及館を開設して、収集した隕石や資料の展示やセミナーを通じて隕石関係の知識を中心に科学知識の普及に貢献しているそうです。



これからも隕石を発見できる可能性のある場所は、人口密度の小さい地域、植生の少ない砂漠的な地域、発展途上の国などが中心です。これらの地域は、身の危険を感じるような出来事にも遭遇する可能性のある場所です。皆さんも冒険心と一攫千金を目指して隕石ハンティグに出かけてみては如何でしょうか。



 隕石 ~ 宇宙からの贈り物 ~の中編はここまでです。日本は森林密度の高い島国ですが、結構、隕石が落ちてきて発見されているのですね。しかし日本では隕石ハンティグは難しそうです。後編は隕石ハンティグのメッカ、南極大陸について紹介します。