トンネルの情報化施工支援
地下水に注目した情報化施工
現在ではコンピュータ技術の発展により、大規模な3次元浸透流解析が比較的容易に実施できる環境が整っています。 また、3次元地質モデルの作成を行うツールも進化しており、これにより作成された地質モデルに基づいて浸透流解析のための数値解析モデルを構築することも行われています。 これらの技術を用いて、トンネル掘削に伴う湧水量や地表近くの地下水位に及ぼす影響を予測します。地質モデルと物性を更新しながら行う浸透流解析
まず、事前調査などの資料をもとにトンネル掘削前に3次元地質モデルを作成します。 また、これとは別に3次元浸透流解析の数値解析モデルを作成し、各地層に相当する要素には同じ物性値を割り当てるようにします。 各地層における透水係数などの物性値は、周辺のボーリングなどにより計測された地下水位や間隙水圧と計算結果が整合するように定めます。 次に、数値解析モデル上でトンネル掘削を行い、湧水量などを予測しておきます。トンネル掘削が開始された後は、予測結果と実際の湧水量を比較し、差異が大きい場合には該当する地層の物性値を変化させ、湧水量を実態と整合させます。 また、新しい条件でトンネル掘削に伴う湧水量を予測します。 仮に、地層の物性値を変化させるだけでなく、先進ボーリングや切羽観察などの結果、破砕帯の存在など新たな地層を考慮する必要があれば、3次元地質モデルの作成をやり直し、数値解析モデルにおける物性値の割り当てを変更します。

トンネルの地下水情報化施工のフロー
3次元浸透流解析による湧水量の予測
3次元浸透流解析では、トンネル掘削相当面を非排水境界から排水境界に変え、計算のリスタートを繰り返すことで、トンネル掘削の進行に合わせて湧水量の予測が可能です。 また、3次元浸透流解析では、地表面も含めた数値解析モデルを用いることで、地表面付近における地下水位の変化なども予測することができます。 これらの作業は、Geo-Graphiaを用いることで効率的に行うことができます。
地質モデル

数値解析モデル

数値解析モデル(トンネル部)

数値解析モデル(トンネル部)

トンネル周辺の全水頭分布

周辺への影響