数値シミュレーション

地盤防災

FLAC3Dによる地すべり・斜面崩壊の評価

地層科学研究所では、斜面を対象とした研究開発に基づき、円弧すべり計算や有限要素法解析による安定性評価などを支援しています。 これらに加え、米国Itasca社から導入した有限差分法ソフトFLAC3D*を用いて、地すべり・斜面崩壊を評価業務を行っています。 刻々と崩壊する斜面の様子を追跡できるため、結果を見た上で抑止杭などの最適な設置位置を検討することができます。
*FLAC3Dは米国ITASCA Consulting Group, Inc.の登録商標です。

概要

地すべり・斜面崩壊は、つりあい条件を満たす問題ではないため、従来の有限要素解析によって刻々と崩壊していく過程を見ることは困難です。
FLAC3Dは大変形解析を行えるため、斜面が刻々と変形・崩壊していく様子を発散することなくシミュレートします。 最大せん断ひずみコンターの表示などにより、発生したすべり面の位置を知ることもできます。また次のような解析にも対応しています。
  • 弾性解析、弾塑性解析、ひずみ軟化解析
  • 不連続面要素、梁要素、シェル要素、杭要素
  • 微小変形解析、大変形解析
  • 静的解析、動的解析、熱応力/熱伝導解析、クリープ解析、浸透流解析、連成解析
  • 全応力解析、有効応力解析

有効応力解析による斜面崩壊

斜面の水位が上昇すると、有効応力が低下して斜面は崩壊しやすくなります。斜面を弾塑性体でモデル化して有効応力が低下すれば、降伏しやすくなり、塑性化して刻々と崩壊する解析結果が得られます。 右図の例は、地盤変形と地下水流れの連成解析による斜面崩壊の例です。
斜面がどのように崩壊するかが分かれば、抑止杭の最も効果がありそうな打設位置を決める資料となり、またその効果を確認することも可能です。
解析例
解析例